今回は『アトリビューション〜広告効果の考え方を根底から覆す新手法〜』という本を読んでみました。この本は以前どこかでオススメされていて、とりあえず買ってみたものの読めていなかった本なのですが、企業がオウンドメディアを持った場合にその効果をどうやって測れば良いか?どう評価すべきか?と考えた時に「アトリビューション」というキーワードが浮かび、思いだしたように読んだのでした。

正直なところ、広告周りの知識は全然追いつけていないので、広告業界の方にとって本記事は「そんなことも知らないの?」というレベルのお話かもしれません。ご容赦ください。

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どんな本?

Fringe81の田中氏、アタラの佐藤氏、杉原氏、有園氏によって書かれた本書。両社ともアドテクノロジーに関わる分野で活躍されている企業で、サイトを見てもアトリビューションはイチオシされています。

本書ではまず、「アトリビューション」という広告効果測定の基本的な考え方の説明から始まり、それが広告施策の改善にどう活かせるのか?ということの紹介までしてくれています。おそらく、アトリビューション入門編として適している本なのだろうなという感想です。「広告を自分でも色々試してみたけれど、行き詰まっている!」という方におすすめです。でもそういう方はきっと、もう読んでいるでしょう。

オウンドメディアの効果測定に活かせる考え方

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本書を読んでアトリビューションの測定法に感じた1番の魅力は、アトリビューションの考え方では“広告がクリックされた”ところからではなく、“広告が見られた”ところからユーザーの動きを追うというところ。「ビュースルー」と言うそうですが、これを応用すれば、オウンドメディアの記事を読んだ人がその後一定期間のうちにサイトに戻ってきて、何かを買ってくれたかどうか?を計測することが出来るのではないはないでしょうか。

というのも、「自社サイトで良質なコンテンツを発信して、サイト訪問者に自社のことを好きになってもらって、その後彼らを顧客に繋げていきましょう」というのが、ざっくりとしたコンテンツマーケティングの説明になると思うのですが、この、“自社サイトに優良なコンテンツを揃えていること”の効果がいかに測定できるか?ということは、オウンドメディア解析をする者として大変課題に感じています。

特に、ニーズがまだ顕在化していない人にオウンドメディアのコンテンツを見てもらい、自社のファンになってもらい、最終的に自社のもの(サービス)を買ってもらおうと思うと、はじめに自社サイトに訪れてから商品を買ってもらうまでの期間がどうしても長くなります。そういう場合に、普通の広告と同じように効果測定をして「オウンドメディアよりリスティング広告の方が効果が高い!」となっては本末転倒です。(でも、実際に近い話はあるんです)

とはいえ、どこかで効果を可視化し、施策を評価しなければならない。そこで使えそうなのがアトリビューションの考え方なのかな、と本書を読んで再度感じました。事実、GIZMODOとライフハッカーでは、アトリビューションの考え方を使った記事広告の効果測定を行い、タイアップ記事広告が読者に与える影響の大きさを証明しています。

まとめ

書いていて途中で、「全然本の紹介になってない」と気がつきましたが、そもそもちょっと本来の本の趣旨と違う角度から読み始めたので仕方ないです、すみません。

本書を読むことで、より一層オウンドメディアの効果をアトリビューションで計測するという解析手法に意味があるような気がしてきました。もちろん、数ヶ月単位で売り上げに繋がらないような目的を持ったサイトもあるので、この方法もベストではないと思うのですけれどね。

いつかやってみたいリストに入れておこっと。

※この記事は、以前別のブログで書いたものの編集・再掲載版です