Web Analytics Worldにて、AIDAに変わる新しい消費行動モデルとして「RES」というものが紹介されていました

AIDAは現代の現実に即していない!

まずこれまでの消費行動モデルをおさらい。

有名な消費行動モデルには、AIDAやAIDMA、AISASなどがあります。インターネット社会になってから、日本では電通によってAISASというモデルが提唱されていますが、先日参加してきたPubconでの登壇者の発言などを聞くと、アメリカではこれまで、100年も昔に提唱されたAIDAという最もベーシックなモデルをベースにマーケティングが考えられていたようです(もちろん、今日までの間に様々なその他のモデルが提唱されては消えていったことでしょう)

しかし、そのモデルもいよいよ真剣に変えていかねなければいけない時期です。

Pubconに登壇したRyan Jones氏は、AtentionからActionまでが直線的に繋がる消費行動モデル「AIDA」を引き合いに出し、「カスタマージャーニーは今や直線的ではなく、あちこちに散らばっている」と言いました。

デジタルであらゆる手段で情報を獲得できる現代において、AIDAはもうあまり消費行動を的確に表していないのです。

そこで、ひとつのアイデアとしてWeb Analytics Worldが提案しているのがRES。

RESってなんだ

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RESは、RelevanceとEngagement、Successという3つの頭文字をとったもの。

Relevanceとは関連性の事。消費行動のきっかけとして、あなたのブランドや商品に気づく(Attention)だけではダメで、消費者とブランド・商品の間になんらかの関連性がなければその次の行動に移ってくれないということです。

誰もが同じものに熱中していた時代とは違うので、気付かせるだけではもう足りなくなっているのでしょう。潜在的に関連性がある人をターゲットに選ばなければいけないことを表している”R”、当たり前ですが大切なことです。

次にエンゲージメント(Engagement)です。この記事のライターRalf Habersch氏曰く、AIDAのIやDは双方向のコミュニケーション(interaction)において不足があるとのこと。クライアントとの関係性をよくしたり、競合他社と差別化を図るために”E”が必要です。

消費行動モデルに相互にコミュニケーションをとるパートを入れ込んでしまうという発想は、今更ながらとても良いですね。双方向のコミュニケーションから逃げることはできないというアイデアが、ぜひ浸透してほしい。

最後のSuccessは成功。AIDAのゴールはActionであり、つまり単純な購入がモデルのゴールとなっていたわけですが、これが定義された1900年前後とは違い、現代は購入後のアップ – クロスセルも考えなくてはなりません。あるいはアフターサポート等の継続的な関係構築により、お客さんには良きインフルエンサーとなってもらわなければなりません。

そこで、AIDAにおけるActionよりも広くゴールを捉えるために、RESモデルではSuccessという言葉が使われています。

まとめ

RESはつまり、AIDAをより現代の環境に合わせたもの。ただし非常に複雑になった現在の消費行動に合わせるために、それぞれの頭文字に込められた意味は、非常に幅広くとられています。

  1. R(そもそも、自ブランドや商品と関連性のある人にアプローチし)
  2. E(相互のコミュニケーションによってエンゲージメントを高め)
  3. S(購入後も含めた継続的なサポートによって単なる「購入」以上の成功を収める)

なかなか当たり前のことですが、ひとつの指針としてとても有効かなと思います。

以上、バンクーバーから@LeoTohyamaが、新しい消費行動モデルRESついてお届けしました!

参考:
Rethink the AIDA Model Now!