明日、BCITにて開講されるレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)氏の講演を聞き、ノートを取る課題が出ているので、その予習を兼ねて彼について少しだけ調べてみました。

まず、レイ・カーツワイルといえばシンギュラリティ(技術的特異点)です。Wikipediaによるとこんな感じ。

技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん、Technological Singularity)とは、未来研究において、正確かつ信頼できる、人類の技術開発の歴史から推測され得る未来モデルの限界点を指す。技術的特異点は、「強い人工知能」や人間の知能増幅が可能となったとき出現する。フューチャリストらによれば、特異点の後では科学技術の進歩を支配するのは人類ではなく強い人工知能やポストヒューマンであり、従ってこれまでの人類の傾向に基づいた人類技術の進歩予測は通用しなくなると考えられている。

引用:技術的特異点 – Wikipedia

「収穫加速の法則」という独自の概念を用いて「シンギュラリティは近い(もう直ぐ訪れる)」と説明しているのが、フューチャリストであるレイ・カーツワイルなのです。

収穫加速の法則(しゅうかくかそくのほうそく、英: The Law of Accelerating Returns)とは、アメリカの発明家レイ・カーツワイルが提唱した、一つの重要な発明は他の発明と結びつき、次の重要な発明の登場までの期間を短縮し、イノベーションの速度を加速することにより、科学技術は直線グラフ的ではなく指数関数的に進歩するという法則。および、彼がこの法則について言及したエッセイの表題。

引用:収穫加速の法則 – Wikipedia

Wikipediaからの引用ばかりで申し訳ありませんが、自分用の予習メモの意味が強いのでご容赦ください(汗)

彼が書いた有名な著書が、2010年に本国版が出版された『シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき』です。

2度のTED Talk登壇

さて、彼は2度にわたってTED Talkに登壇しています。

1度目は2009年で『今後現れるシンギュラリティ(技術的特異点)を学ぶ大学(A university for the coming singularity)』というテーマ。

前述したような内容、つまりシンギュラリティがなぜ、近い将来に訪れるのかということの解説と、その時に向けて研究を深めるための大学設立を発表するためのものでした。

もし、僕同様今からレイ・カーツワイルについて調べようという人がいれば、こちらのTEDをまずご覧いただくのが良いでしょう。

2度目の登壇は2014年。今度は『ハイブリッド思考の世界が来る(Get ready for hybrid thinking)』というタイトルでの登壇となりました。

こちらは、今から20年後となる2030年代には、脳の機能そのものがクラウド化するだろうというような話。テクノロジー的な話やSF的な話が好きな人にとっては刺激的な講演だと思います。

1番わかりやすくて良かった後半部分だけ、もう少し丁寧に、しかし大まかにざっくりまとめます(ネタバレ)

  • コンピューター(IBMが開発した人工知能のワトソンを例に)はすでに、人間の言語を理解できるようになっている
  • 5年〜10年後。人間の言語を理解できるようになった検索エンジンは、ウェブ上の情報や本を読み、その内容を理解した上でユーザーに情報を提供できるようになる。例えば「マリー。1か月前にあなたは、グルタチオンのサプリが血液脳関門を通ってないのではと不安になっていましたね。実は13秒前に新しい研究が発表され、グルタチオン摂取の全く新しいアプローチを紹介しています。今から要約しますね」なんて感じに
  • 一方で現在、私たちは一時的に多くの情報を処理したいような場合に、その場にない大規模なコンピューターを借りて計算に使うことができる(クラウドという概念の高度な使われ方です)
  • そして20年後。体に入るほどのナノサイズコンピューターが開発され、脳の中に滞在するようになる。そして人間は、脳の大脳新皮質※が足りなくなった時に、その都度脳内のナノコンピューターを使って外部の強力なコンピューターの機能を借りてくることができるようになる
  • 「人の言葉が理解できるようになったコンピューター」「脳の拡張クラウド化」2つのテクノロジーの進歩が重なった未来にあることとして、例えば「私は歩きながら「あ、クリス・アンダーソンだ」と言い、彼が近づいてきます。何か賢いことを言わなければ。時間は3秒。私の大脳新皮質にある3億のモジュールだけでは足りない。あと10億必要だ」こんな状況で脳から直接外部のコンピューターにアクセスし、外部のコンピューターの機能を自分の脳のように使いこなすことができるといったことが考えられる
  • これが生物学的な思考と非生物学的な思考のハイブリッド

なお、リスト内に※をつけましたが、この講演の前半部分は大脳新皮質に関するちょっと難しいお話でした(明日の講演大丈夫かな)

明日の講演テーマがイマイチわからないのですが、何か未来のことを話すレクチャーだということだけは伝えられているため、何となくこのあたりのことを話すのかなあと思います。

うまく何か知見が得られたら、このページに追記できたらいいななんて淡く期待しながら、そしてマーク有りの今回のノートテイキングの課題に少しナーバスになりながら、でもエキサイティングな気持ちで今夜は眠りにつきます。

おやすみなさい!

以上、バンクーバーから@LeoTohyamaが、レイ・カーツワイルについてお届けしました!

参考:
BCIT presents author, inventor, and futurist Ray Kurzweil | Update
技術的特異点 – Wikipedia
収穫加速の法則 – Wikipedia
ワトソン (コンピュータ) – Wikipedia