11月に公式に発表されたGoogle公式ガイドラインの解説・まとめ記事第2弾(兼、Webディレクション Advent Calendar 2015用の記事)です。

前回は第1章のページクオリティ評価パートについてまとめましたが、今回は第2章のモバイルユーザーニーズパートについてまとめていきたいと思います。

我々ウェブサイト制作者としては、本章を読むことでモバイルユーザー向けのウェブページのあり方について少しだけヒントをつかめそうな内容です。どんなユーザーの存在を想定し、どんなコンテンツを提供してあげるべきなのか、ドキュメントをもとに考えてみましょう。

なお、こちらの章は全体で20ページとそんなに長くないので、その気になればすぐに読める量です!もしこのポストを読んで気になられた方がいらっしゃったら、ぜひ元のガイドラインPDF(英語)も覗いてみてくださいね!

場所と時間で変わる、モバイルユーザーの検索意図(page. 67 – 72)

モバイルデバイスのユーザーは、デバイスに様々なことを期待しています。その期待はシンプルなものから複雑なものまで多岐にわたります。一方でモバイルデバイスには、入力環境が悪い、画面が小さい、PCでは使えるけれどモバイルでは使えない機能がある、PCに比べてネット環境が悪くなりやすいといった欠点があります。

Googleのガイドライン上では、それらの欠点を理解した上で、たとえ画面が小さくても、ユーザーがスマートフォンで行うタスクは簡単に解決されるべきだ(意訳)としています。

そしてそのためにはまず、場所時間で変わるモバイルユーザーの検索意図について理解しなくてはなりません。

場所

モバイル検索において、クエリと検索者の位置情報の関係は切っても切れません。そしてその位置情報にも、大雑把に考慮されれば良いものから詳細に検討されなければならないものまであります。

例としてガイドラインでは、イギリスで「フットボール」と検索された場合はサッカーが意図されている可能性が高く、アメリカで「フットボール」と検索された場合であればアメフトが意図されている可能性が高い、というものが挙げられています。

ただし例外もあります。検索者が今居る場所とは違う場所を指定しているクエリなどです。例えば「上野 ホテル」と検索したユーザーが京都に居る場合がこれに当たります。

そのような場合、ユーザーは今いる場所(京都)ではなく、まさしく上野にあるホテルを検索しているからこそ、クエリにその場所を含めているはずだとGoogleのガイドラインには記載されています。そのため、おそらく検索結果にも、クエリに含まれる地域キーワードが位置情報よりも重要視されるはずです(もちろん場合によるでしょうが)

※ガイドラインには、ダラスの検索者がNYのホテルを検索しているという例が挙げられていましたが、親しみやすいように僕が京都と上野に変換しました(笑)

時間

また、時間とともにクエリに隠された意図も変化します。

例えばガイドラインには「iPhone」というクエリが2007年に検索されたとすれば、解答として最適なのは初代iPhoneだし、それが 2014年であればiPhone6が最適解となると記載されています。

当然、将来的に新しいモデルが登場すれば、そのクエリの意図も変わるのです。

モバイルユーザー特有の検索意図
ユーザーは4つの理由でモバイル検索する(page. 72 – 78)

モバイルユーザーは、様々な理由でPCユーザーとは違った意図で検索をします。Googleのガイドラインではその意図を、次の4つのカテゴリに分類してまとめています。

  • Know query
  • Know queryとは、特定のトピックについてもっと知りたいという意図の含まれるクエリのことだそうです。

    例えば「バラク・オバマ」「ニューヨーク」「スタバに投資すべきか」などが、これにあたります。

    広く複雑で、短い回答では足りないようなクエリや、回答が曖昧だったり明快じゃないクエリ、回答が議論中のクエリ、正しい回答のないクエリ、検索者によって欲している情報が異なるクエリなどが、Know queryには含まれます。

    一方で、Know queryの中でも特にKnow simple queryと呼ばれるクエリは、ユーザーが特定の答えだけを求めている場合のクエリのことで、モバイル画面にも収まる1〜2文の短い回答で足りるようなもののことを言っています。

    こちらは例えば「バラク・オバマ 身長」「ニューヨーク 人口 2013」「スターバックス 株価」などです。

  • Do query
  • Do queryとは、ユーザーが何かをしたいと思って検索したクエリのこと。

    例えば「キャンディクラッシュ ダウンロード」なら、キャンディクラッシュをダウンロードしたいという意図があるし「bmi 計算」なら、bmiを計算したいという意図が含まれていると考えられます。

  • Website query
  • Website queryとは、特定のウェブサイトを探す意図で使われているクエリのことです(日本語ではこれを、ご指名検索と呼びますね)

    例えばYoutubeサイトを訪問したいとか、Amazonサイトを訪問したいといった場合に検索される「youtube」「amazon」といったクエリが、それにあたります。

  • Visit-in-person query
  • Visit-in-person queryは、ユーザーがどこかに行きたいという意図を持って検索するようなクエリのことだそうです。

    例えばホテルを探したいときの「ホテル」というクエリや、郵便局を探したい場合の「郵便局」そして、Apple Storeを探したい場合の「Apple Store」などがこれにあたります。

まとめ

本章は、モバイル検索ユーザーが持つ検索意図の解釈・説明にフォーカスしたものでしたので、じゃあどんなコンテンツが良いのか?評価されるのか?といったことは記載されていません。その辺りは基本的にPCの場合と同様だと考えられるため、気になる方はガイドライン(英語)をお読みになるか、先日まとめた『Googleガイドラインに見る、良質なWebコンテンツの基本原則!』をごらんください。

モバイル検索ユーザーのクエリをKnow query、Do query、Website query、そしてVisit-in-person queryに分類することから始めれば、少しモバイルユーザーの意図を理解することに近づくのではないでしょうか。

特にモバイルユーザーが多くいると想定されるようなウェブコンテンツを作る際には、そのコンテンツはユーザーの知識欲を満たすのか、何かをしたいという気持ちにダイレクトに応えるのか、あるいはリアルの場所に関連した情報を提供するものなのか、1度立ち止まってから必要な情報を埋めていくと良いのかなと思います。

以上、バンクーバーから@LeoTohyamaが、Google公式ガイドライン第2章についてお届けしました!

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