『【検証】やっぱりアドブロックでGA無効化は本当だった件【追記あり】』で書いたように、どうやら一部のアドブロック(正確には「iOS9のContent Blocker機能を活用したアドブロック系ブラウザ」ですよね)は解析ツールまで弾いてしまう様子・・・。
では、アドブロックによってこれまで使ってきた解析ツールが使えなくなってしまった場合。あるいは解析ツールの努力によって使えるようになったとしても、これまでほどの信頼性がなくなってしまった場合に、マーケッターや解析士はどのようにしてwebサイトを分析していくことができるんでしょうか。
思いつく手段は大きく2つ。
- それでもデータにこだわる
- データは参考程度として割り切る
それでもデータにこだわる
このアドブロックで解析ツールがブロックされて1番辛いのが、中小規模のECサイトじゃないかと思います。
GoogleアナリティクスなどのWebビーコン型解析ツールは低価格な場合が多い為、中小のECサイトでも解析に大きな予算を投じることなく、サイトを分析・改善することができたからです。
じゃあ、予算内で使える安価な解析ツールがないからそこに力をかけなくていいかというと、なかなかそういうわけにもいかないはず。やっぱりデータを利用して細かなチューニングをすることで最もダイレクトに恩恵があるのは、物を売るところに1番近いECサイトだからです。
では、そういうサイトのウェブマスターはどうすればいいかと考えると、サーバーログ取得型やパケットキャプチャリング型のウェブ解析ツールの導入を検討することになるのでしょう。
ただし、いずれも高価なツールが多い上、僕自身の経験から言うと、パケットキャプチャリング型の有名どころ、RTメトリクスは動作が非常に重かった印象しかなく、できれば手を出したくないと考えてしまいます・・・(データを取得するのにめちゃくちゃ時間がかかるため、夜ダウンロードしっぱなしにして帰宅し、朝分析するというのを1週間繰り返したこともありました。Googleアナリティクスに慣れちゃうとね・・・)
それでもデータでの分析が重要であるという判断であれば、やはりそういったツールから選ぶことになるでしょう。
データは参考程度として割り切る
一方、データは参考程度に見ていくんだと割り切る方法もありだと思います。
例えば、安価に出来る方法で言えば、このブログで紹介した『ユーザーテストEXPRESS』などでの簡易ユーザーテストを定期的にやりながらサイトを改善していく、なんて方法でもサイトによっては十分かもしれません。
あるいは本格的にやるのであれば、僕が勤めていた古巣インフォバーンで行ってきたUXプロジェクトなんかは、実際にお客さんの家に訪問して話を聞いたり、目の前でサイトを使ってみてもらってその様子を記録したりといったこともしてきました。
こちらも最初はハードルが高いですが、やってみるとデータだけでは得られない発見もたくさん生まれます(インフォバーンでのUXプロジェクトの場合は、基本的にサービスデザインとかペルソナ開発といった感じの話で、ウェブに限定されない場合が多いので、やや「サイト解析」よりは広がるイメージですが)
僕はweb解析士としてウェブサイトのデータ分析を学んできたし、Googleアナリティクス大活用な人間ですが、別にデータだけが正義じゃないと思うので、いろんなやり方でみんながサイトを改善したらそれはそれで面白いなあと思います。
まとめ
とはいえ、まだ「Googleアナリティクスがアドブロックで死んだ!」と決めつける必要もなく、おそらくGoogleからもなんらかの対策が出てくるでしょう。あまりにも混乱が大きければAppleが対策してくれることもあるかもしれませんし、騒ぎすぎても仕方がないことかもしれません。
ただ、今回のiOS9による一連の騒動は、今後のWebマーケティングの転機となりそうですね。
引き続き注意深く続報を追っていきたいと思っています。
以上、バンクーバーからLeoが、今後の解析のあり方について考えてみました。