インスタグラムが9月9日に行った広告に関する発表に、注目が集まっています。

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今回の発表では、これまで一部の大手企業にしか開放されていなかった「今すぐ購入ボタン」や「今すぐインストールボタン」といった広告の機能を、全世界のスモールビジネスにまで開放することがひとつの注目点ですが、それ以外にも次のような変更と新商品が加えられるそうです。

  1. Facebookのターゲットを活用した広告配信が可能になる
  2. 短期間でマス向けに広告配信できる新商品Marquee

これらの変更により、Instagramはますます広告プラットフォームとして成長していくものと考えられます。

スモールビジネスのInstagram利用促進

1に関しては、2015年6月時点でMAUが14.9億人に達しているFacebookのデータを使って、細かなターゲティングができるようになります。これは、2012年にFacebookがInstagramを買収してからこれまでで、最も両社の強みがいい具合に作用しあった事例となりそう。

細かくターゲティング出来るということで、少額からの広告配信が可能になるでしょう。つまりここには、スモールビジネスのInstagram広告利用を拡大する狙いがあると思われます。

Marqueeでスケールする様子は、テレビ広告のよう

2に関しては、特に大企業向けの商品になりそうです。ClickZにはMarqueeの使用例として次のようなシーンを挙げています。

例えば、もし自動車メーカーが新しいモデルを発表し、そのブランド認知をアメリカのマーケットで獲得したいと考えた場合に、車が発売される1日に絞ってMarqueeをアメリカ人向けに実施することができる

引用:Instagram to Democratize Ad Products, Integrate Facebook Targeting Capabilities | ClickZ

GoogleやFacebookのターゲティング広告(これからInstagramが始める1の広告も)は、ターゲットを細かくチューニングして効果を上げる方法で、これをあえてマスメディアで例えれば、広告主が読者層を選べるという意味で新聞や雑誌に近いイメージでしたが、リッチな写真や動画で、マスに一気にアプローチするInstagramの新広告スタイルは、これまでテレビが担ってきたところではないでしょうか。

今回動画広告の時間も、これまでの15秒から30秒に伸びるということで、よりリッチな広告を配信することもできるようになります。

これまで大企業と行ってきた数多くの”実験”で、その辺りの需要が高かったのでしょうね。

まとめ

1ではスモールビジネスを広く獲得、2では大企業のニーズを汲んださらなる単価アップを狙ってくるFacebook。さすが、ソーシャル広告で稼ぐ方法をよく知っています。

特にスモールビジネスへの広告開放の件、最初に日本で成功する事例はどこになるか?注目しています。

参考:
Instagram to Democratize Ad Products, Integrate Facebook Targeting Capabilities | ClickZ
Instagram Gets More of Facebook’s Global Advertising Power – Bloomberg Business
Instagram ads: Time to make money – Fortune
Company Info | Facebook Newsroom