バンクーバーの公立図書館前の階段(市民の憩いの場)と、ショッピングモール内のフードコートで、合計24人の男女に対し、彼らの日本食の知識に関するアンケート調査を行ってきました。もちろん、急に思い立ったわけではなく、スピーキングの授業の課題として3人グループで取り組んだのでした。こっち風に言う、サーベイ(Survey)です。

この記事をどのカテゴリに分類すればいいのか全く見当がつかなかったため、掲載するかどうか迷いましたが、せっかくひと仕事してきたので紹介したいと思います。

なお本記事内の画像は全て、アンケート課題後の授業で行ったプレゼンテーション用に作ったものです。

バックグランド

バンクーバーのダウンタウンには、本当にいたるところに日本食レストランがあります。適当に1日歩いて観光すれば、10軒くらいは発見できるでしょう。

実際、Googleマップで「japanese restaurant」と検索すると、こんなにたくさんのレストランが表示されます。中には寿司屋もあればラーメン屋もあり、鉄板焼き屋もあれば「それ日本食?」的なお店もあります。とにかく日本食レストランが多い街なのです。

IVKJC03

こちらはGoogleキーワードプランナーを利用した調査。バンクーバー内からの英語クエリでの検索で、毎月日本食レストランがどの程度探されているのかを調査したものです。特に多かった5クエリを合計すると、月平均で約1,300回検索されていることがわかりました。

これが多いのか少ないのかは他の国の料理、例えば中華料理屋さんやイタリアンレストランといったあたりの検索ニーズと比較してみたり、あるいはバンクーバーの人口から割り算して色々してとやってみないとわからないのですが、今回はあくまで英語の授業でしたので、この「レストランが多い」「月間検索数が1,300回」という結果をもって「バンクーバーの人は日本食が好きだ!」という結論を導いてみました。

Vancouverites♡Japanese food!

バンクーバーの人は日本食に詳しい?

ここからは該当アンケートの調査結果をご紹介していきます。

まず、今回アンケートをとったのは、公立図書館の前に座っていた人17名と、グランビル駅(ダウンタウンにある駅)直結ショッピングセンターにあるフードコート内にいた7名の合計24名。性別は、男性11名に女性が13名です。

国籍はカナダを中心とし、お隣のアメリカ、ドイツやスペイン、スイスといったヨーロッパ圏、中国や韓国、フィリピンといったアジア圏など、多岐に渡りました。ただし、いずれも旅行者ではなく、なんらかの理由でバンクーバーに住んでいる人です。

では、順番に見ていきましょう。

IVKJC04

まずは「日本人の友達がいますか?」というこの質問。83%がYesと答えてくれました。さすが日本人の多い街です、予想通りの結果。

IVKJC05

「5つ以上、日本食の名前を知ってますか?」という質問。この質問には63%の人がYesと答えてくれました。この数字は、事前に予想していたより多かったです。ちなみに多くの人が「寿司」「刺身」「天ぷら」などの名前を回答してくれました。

IVKJC06

こちらは「にぎり寿司と巻き寿司の違いがわかりますか?」という質問。質問時には画像を見せずに聞いたのですが、ちょうど半分の人が違いを正しく説明してくれて、残りの半分の人はお手上げでした。お手上げの人にも、どれがにぎり寿司かこちらから教えてあげると「あーあれね!」な反応な人がほとんどでした。多くの人が一度は食べたことがあるけれど、名前までは知らない人も多いといった感じ。

IVKJC07

こちらは3枚の画像を見せて、どれが日本食か当ててもらう質問。超簡単な問題ということもあり、100%の人が正解してくれました。中には見せた全ての写真の料理名を当ててくれたアジア通な人もいました(左が韓国のトッポギ、真ん中が中国のジャージャー麺)

IVKJC08

今度は「一般的な味噌汁の具に入っていないものは?」という質問。67%の人が、正解の「魚」を選択してくれました。味噌汁(Miso soup)がこんなにみんなに知られているとは思わなかったので、結構びっくりな結果となりました。

IVKJC09

次に「東京、神戸、大阪。最もハイクオリティなビーフブランドを持つ都市はどこ?」という質問。46%の人が正解の神戸を選択しましたが、半分以上の人は全くわからないといった様子でした。

この質問は正直、いくらでも良い肉が手に入る東京も正解だと思うし、大阪にも美味しい肉屋さんは沢山あるはずなので正解だと思います。ただし、今回のアンケートに限っては不正解者はそもそも神戸牛を知らない人ばかりだったので、とりあえず神戸を正解として通しました。

あと愛知県出身者としては「いやいや松坂牛だろ」とか思うし、京都歴も長い身として「近江牛はどうなんねんコラ」みたいに思うこともあったのですが、そこはグループメンバーの中国の子が「神戸牛でしょう最も有名なのは」みたいに押し切ったので、押し切られました(苦笑)

IVKJC10

こちらは「あなたはワサビを美味しいと思いますか」という5スケールの質問。この質問は「超美味しい派」と「超美味しくない派」のふたつに分かれました。

IVKJC11

「にぎり寿司の作り方を知っていますか?」という、今度は順番を並べ替えてもらう質問。17%の人が正解と、非常に非常に良くない結果となりました。ただし、寿司の作り方をただしく理解している日本人というのもそんなに多くない気もしますけどね。

ちなみにこの問題、答えは一応次のような感じです(4は、お米を魚の上に乗せるイメージもある。どっちが正解だろう)

  1. 魚を切る
  2. 手の平でお米の形を整える
  3. ワサビを魚(の裏側)に塗る
  4. 魚をお米の上に乗せる
  5. 丁寧に握る

IVKJC12

「日本食と聞いて思いつくことは?」という質問に対する答え(フリーアンサー)がこちら。やっぱり寿司と魚介類が人気ですが「”生”に驚いた」という人が結構多かったことは自分にとって発見でした。そんなにみんな、生で何かを食べないものなんですね。

日本には生魚だけでなく、生卵や生レバーや生チョコや生プリンを食べる文化がありますもんね。なんでも生にしてしまい、それが流行るという事例をこうして並べてみると、日本人の「生」への執着の強さを感じます。

日本人はやっぱ「とりあえず生」文化なんですね。

IVKJC13

こちらが最後。「寿司以外で好きな日本食は?」という質問。

やっぱり強い「照り焼きチキン」。それから「てんぷら」と「ラーメン」「うどん」が続きます。笑ったのが「胡麻和え」です。3回聞き直しましたけど、本人は本気で胡麻和えが好きだと答えてくれました。日本で探すのも難しいだろうなあ、寿司以外でいちばん好きな日本食が胡麻和えの人。

あとは「春巻き」と答えてくれた女性もいましたが、それは中華です!

まとめ

たった10の質問、たった24名の街ゆく人に対するアンケートでしたが、ここから結論をまとめるとすれば、バンクーバーの人々は日本食のことが大好きで、寿司についてはかなりの経験があるけれど、にぎり寿司と巻き寿司の違いくらいの知識になると半分くらいの人が知らなくて、さらににぎり寿司の作り方までいくとほとんどの人がわからないということがわかりました。

6割以上の人が寿司以外の日本食を知っていたというのは、日本食レストランが多い土地柄かもしれませんね。

IVKJC14

ちなみに、上図3つの質問においては男性の方が女性より圧倒的に正答率が高いという結果になりました。これを僕たちのチームでは、男性は何かを食べて美味しいと感じた時に、それがどういう名前でどういう原材料でみたいな知識に興味がいきやすいんじゃないか?女性は直感的だから名前とかよりイメージで覚えてるのかも?みたいな推測をしましたが、そもそも数が少ないのもあってこの差が生じた理由はよくわかりません。

ということでバンクーバーの街角で調査した日本食に対する知識をテーマにしたアンケートの結果をご紹介しました。またそのうち、どのカテゴリに分類したらいいのかわからないような学校での学びを記事にしてみたいと思います。

今回は一応アンケート調査だからアナリティクスカテゴリに分類しよう。

最後にアンケートを取った公立図書館前のストリートビューを貼り付けておきます。