あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

新年最初のブログは、僕が編集長をさせてもらってきた『北欧ヒュゲリニュース』についてです。

遠山、ヒュゲリニュースを引退(涙)

この度、編集長として2年間活動させてもらった北欧ヒュゲリニュースを引退することになりました。

『北欧ヒュゲリニュース読者のみなさま、あけましておめでとうございます。』

在任中、ヒュゲリニュースを読んでくださった方には感謝の言葉しかありません。ありがとうございました。

なぜ辞めることになったかというと、理由は2つありました。

  • バンクーバーでの学習と、今の自分にリンクしたプロジェクトにフォーカスしたい
  • 距離的な差を埋めきれない

ひとつ目の理由としては、今自分はバンクーバーで勉強をしていて、英語をもっと伸ばさなければならないし、今年からは改めて大学の本科に通ってウェブデベロップメントについて学ばなければならず、そういったフォーカスすべき挑戦とヒュゲリニュースでの活動があまりリンクしなくなってきたことに気がつきました。

そもそも、ヒュゲリニュースの活動に参加した当時の目的として、自分が主体的に関わってウェブサイトを成功させたいという気持ちがありました。仕事ではできない挑戦を、サイドプロジェクトでやってやろうと思っていました。

その、ウェブサイトを自分の手で成功させたいという目標の何パーセントかはヒュゲリニュースで達成できたし、でもまだまだ道半ばでもあります。したがって今でもまだ、自分でウェブサイトを作って成功したいという思いはあって、それに向けて具体的に頑張っている別のプロジェクトもあります。

それをヒュゲリニュースで実現することができなかったわけではないかもしれませんが、しかし一度リセットしようと思いました。リセットした上で、別の成功像に向けて0から試せればと思います。

ふたつ目の理由としては、やっぱり北米にいながらして北欧の情報を日本にお届けするウェブメディアをやることに無理があったと思います。横着しようとして、プロジェクトメンバーや読者の方に迷惑をかけてしまったと思います、すみません・・・

ウェブメディアの場合、時差はあんまり関係ありません。ただ、読者層(日本)ともソース(北欧)とも違う季節やトレンドに身を置くということは、大きな問題です。

具体的に言うと、例えば「寒くなってきましたね」とか「雨が多いですね」というような天気って、読者と共感するためには意外と重要なひと言だと思うのですが、それが言えません。「あの映画を見に行くつもりです」「12月のクリスマスマーケットが楽しみです」なんてことも言えません。物理的に絶対に行きようのない場所のことを、楽しみにできないからです。それじゃ嘘くさいし、まあほとんど嘘ですよね。

ネタ元として、ひとりの現地ライターとしてなら問題ないですが、編集長となるとそうはいかないなあということに、こちらに来てから気がつきました。遅すぎですね。

という、以上2点が主な理由です。

強く印象に残っている5エピソード

そんな北欧ヒュゲリニュースをやってきて、たくさん印象に残っていることがいろいろあるので、特に強烈な5つを(誰も興味がないかもしれないけれど勝手に)ご紹介します。

  1. 『MONKI』上陸時のYahoo!砲
  2. 正確にはまだ編集長就任前の出来事ですが、2013年の5月にH&M系列のMONKIが日本に初上陸した際にお店を取材し、その晩に即記事を公開したこともあって、Yahoo!ニュースからのリンクを獲得。自分にとって人生で初めてのYahoo!砲だったので非常に興奮しました。

    跳ねまくるトラフィックを見ながら「これがあれか!」と。

    その後、ヒュゲリニュースでも自分のブログでも複数回Yahoo!関連の大量流入を獲得しましたが、最初の興奮はやはり忘れられません。

  3. 2度の『スッキリ』
  4. 日本テレビ系列の朝のワイドショー『スッキリ』にて2度、ヒュゲリニュースがソースとして使われました。

    ウェブメディア、しかもそんなにトラフィックが多い訳ではないヒュゲリニュースのようなメディアが、テレビから取材を受けるってなかなかの快挙じゃないかと今でも思います。それも、2度もソースとして使ってもらいました。

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    1度目は2014年の5月で、スウェーデンで活躍するバレリーナの木田さんが日本人で初めてブノワ賞を受賞した際でした。ヒュゲリニュースはその前に彼女にインタビューをしており、かつその記事が日本語で書かれた唯一のソースとなったため、スッキリで画面キャプチャ付きでウェブサイトが紹介されました。

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    2度目は2015年6月で、スウェーデンのフィリップ王子が結婚式を挙げた際の現地の様子をレポートするというもの。この時には、インタビューに答えてくれたライターの横井くんの写真が「北欧ヒュゲリニュースライター」の文字付きで紹介されました。

    「取材したいんです」と番組制作の人からメールをもらった時、自分は既にバンクーバーにいて、実はカラーランイベントの真っ最中でした。走ってました(笑) でも即レスしてメディア名の掲載方法などを交渉、現地ライターの手配もやって大成功。本当にラッキーだったし、特に横井君をはじめとしてみんなに助けてもらったし、自分も瞬発力発揮できたなあと思います。

  5. 来日アーティストや本の著者にインタビュー
  6. 特に自分が興味のある分野でメディアの中の人をやるって、お金には変えられない経験が得られるというメリットもありますよね。

    例えば来日したMOVITS!にインタビューできたこととか、前から好きで注目していた北欧女子のオーサさんに著作の刊行を記念してインタビューできたこととか、そういうのってただのファンではたどり着けない経験だったので、非常にありがたいことでした。ミーハーな僕みたいな人にとっては、ある意味メディアを継続するモチベーションでした(笑)

  7. 本の試読や映画の試聴
  8. これもめちゃくちゃミーハーで、こんな編集長でいいのかという感じですが、献本で本をいち早く読めたり、映画をいち早く見ることができたりというのもウェブマガジンをしていたからですよね。

    ちゃんと断っておくと、献本を受けたからといって必ず紹介したりはしませんでした。ちゃんと自分で良いと思ったものだけです。

    とはいえ、やっぱり北欧のことが好きですし、レコメンドされたら好きになる確率も高いです。北欧映画も在任中いろいろ見ましたが、あのゆったりと時が流れる雰囲気がたまらなく好きになりました。北欧映画が恋しい今日この頃です。

  9. イベント登壇
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    2015年3月のイベントに登壇者として呼んでいただいて、憧れの森百合子さんとトークショーができたことが、結果的に僕のヒュゲリニュース集大成となった気がします。正直なところ、2時間超えのディスカッションということでどこまで自分がやれるか不安でしたが、森さんの助けもあって話し足りないほど話せました。

    マガジンのコンテンツ作成と違って、リアルタイムにいろんな質問が飛んでくる場面では、よっぽどそのトピックに詳しくなっていないと回答できない可能性もあってハードルが高いわけですが、あの対談イベントであれだけ話せたというのは、伊達に北欧マガジンの編集長をやっていなかったと、やっと自信を持てました(遅)

まとめ

多分、細かく振り返れば、編集長をやらせてもらってる中でめんどくさい作業もたくさんあったんですけど、ヒュゲリニュースでやっためんどくさいタスクってどれもちゃんと自分の成長に繋がっている気がするので、今更あんまり覚えていません。

執筆した記事の本数は160記事を超えていて、もちろん編集長就任後にチェックした記事の本数はもっとたくさんあります。ミーティングや取材を含め、何百時間もこのサイトに費やしてきました。文章を書く速度はだいぶ早くなりました。Wordpressの使い方や便利なショートカットプラグインとかもたくさんわかりました。ヒュゲリニュースのデータを基にした解析で発見したこともたくさん身になっています。

僕にとってヒュゲリニュースは一貫してサイドプロジェクトで、それを少しだけリスキーに感じていた時期もありましたが、寛容な会社(インフォバーン)と、仕事のできるヒュゲリジャパンプロジェクトメンバーのおかげで、トータルしてポジティブな印象だけを持って卒業させていただくことができました。余談ですが、この経験によって僕は「サイドプロジェクト支持者」になりました。サイドプロジェクトでの経験が、メインの仕事にも活きまくりになると思います。

もう、とにかくやってきてよかったです。

今後は、基本はメインの学校に注力します。学校が始まったら、学んだ側からポートフォリオをどんどん作っていかないと。

あと、サイドプロジェクト枠としては、日本酒をテーマにした別のウェブサイトを立ち上げようということで準備しています。最近、勉強すればするほど日本酒が大好きになっていく自分がいます。早く日本に帰ってあれこれ飲みたいのを我慢しながら知識ばかり見につけて理論武装する毎日です(乾)

また無事に準備が整ったらご報告します!

メッセージ

最後になりますが(そして個人的なメッセージになりますが)これまで北欧ヒュゲリニュースで一緒にプロジェクトをやってきたみなさま、ありがとうございました。

先代編集長の田實さんが道を作ってくれたからこその二代目の僕でした。

あやさん・武内さんとはイベントのスマイルアイルズ・勉強会の北欧留学ネットワーク、メディアのヒュゲリニュースという関係でたくさん協力していただきました。おかげさまでヒュゲリニュースのコミュニティがリアルにも広がったと思います。

沖垣さん、一時期でしたが一緒に編集部をやってくれてありがとう!

山森くん、度々のスウェーデン語でのインタビュー同行ありがとう!

福井君と黒坂君、これからのヒュゲリニュースを宜しくお願いします!

そして瀬川さん、最も濃く、長く一緒にこのプロジェクトについて話し合ったのが瀬川さんでした。瀬川さんから学んだことはたくさんあって有りすぎます!北欧という縛りに特にとらわれる必要はないので、これからも面白いことを企む時には参加させてくださいね!

ゲストライターさんを含めると本当にたくさんの方とお仕事をしたので、皆さんへの思いを書ききれませんが、恵まれたチームで活動をさせていただき感謝しています、改めてありがとうございました。

それではではまた!