ブロガーも編集者もライターも、ウェブでコンテンツを作る職に就かれているみなさま。

近頃は、せっかく作った良質なコンテンツをどのように読者(潜在読者)に届けるかということが課題となってきました。なぜなら、オンラインコンテンツが、これまで以上のペースで増えているからです。ネットユーザーの時間の奪い合いは、益々激化しています。

増え続けるオンラインコンテンツ

オンラインにコンテンツを持つプレーヤーは、大きく分けると次の3タイプに分かれると言えるでしょう。

  1. 従来型のWebメディア

  2. Webメディアの中には、GizmodoやライフハッカーのようなWeb専業のものと、新聞社や通信社によるウェブサイトなどがありましたが、近頃は新しいジャンルとしてまとめサイトやバイラルメディアも乱立し、いくつかは大成功して大手メディアの仲間入りを果たしました。

  3. オウンドメディア等を運営するブランド企業

  4. ブランド企業(一般的な企業)による各自の専門性を生かしたオウンドメディアも増え続けています。また、ブランド企業は他にも、ネイティブアドとして大手メディアとコラボしたコンテンツを配信するようになりました。

  5. ブログ等を運営する個人

  6. 個人のコンテンツ制作者を見ても、従来からのアフィリエイターやブロガー(Blogger)に加え、ヴロガー(Vlogger = ユーチューバーのようにビデオでブログをする人のこと)も登場しています。

こんなコンテンツの戦国時代において、いかにしてターゲットに自分のコンテンツを届けるのかということは、コンテンツを作るすべての人にとって重要な課題となっています。

作ったコンテンツが読者に届くまで

もちろん、コンテンツを読者に届けるためには、質の良いコンテンツを作っておかなければなりません。しかし、質の良いコンテンツを作ったとしてもそれだけではターゲットに届かない場合も多いため、質の向上とは別に、それを届ける方法についても考えておく必要があるのです。

では、Webコンテンツをターゲットにリーチさせるためには、どのようなことをしなければいけないのでしょうか?

一例としてご紹介したいのが、以前僕のブログ記事『【検証】やっぱりアドブロックでGA無効化は本当だった件【追記あり】』が爆発的にヒットした後に行った流入元の考察↓です。

弱小ブログの記事が1800いいね!されるまで – Twitter・はてブ・Facebook・Y!砲・NewsPicsがいっぺんに来た無敵の58時間を徹底検証!

僕はこの考察記事、非常に面白いと思うので、時間がある方には読んでみていただきたいのですが、長い話をものすごく短くまとめると、

How2Tweet04

こんな感じです(上の画像、小さいのでクリッカブルにしておきました)

この一例を素直に受け取ると、Twitterがいかに一連のコンテンツ拡散に大きな影響を与えたか、わかっていただけるかと思います。たった3名のTwitterユーザーに見つけられたことが、最終的に1,800いいね!を獲得するほどの記事拡散に繋がったわけですから。

そしてそれはつまり、はじめに良質なTwitterユーザーに見つけてもらえる確率を上げることができれば、コンテンツが拡散される可能性も高まるということです。

そこでこの記事では、Twitterにおけるコンテンツ配信セオリーについて、次の3つの仮説を検証してみたいと思います。

  1. Twitter投稿時、リンクとテキストだけでなく画像を添付した方がリーチ数が上がるのではないか?
  2. 投稿にハッシュタグをつけた方が、リーチ数が上がるのではないか?
  3. 「同じ投稿を何度もするとフォロワーに嫌われる」という従来のセオリーは間違っているのではないか?

なお、検証時に使ったTwitterアカウントは、僕の個人アカウント(@LeoTohyama)で、フォロワー数は1,000人に少し満たないほどです。

仮説1:Twitter投稿時、リンクとテキストだけでなく画像を添付した方がリーチ数が上がるのではないか?

1番コンテンツを届けるということに真剣だと思われる海外のバイラルメディアのTwitter投稿を見ると、彼らはみな、投稿に画像を添付しています。例えば@HuffingtonPost@BuzzFeedです(特に@BuzzFeedは、写真だけでなく動画やGIFも多いです)

ということは、画像を添付した方がリーチが伸びたり反応がよかったりするのではないでしょうか?

そこで今回は、僕が個人ブログで連載中のバンクーバー・グロサリー・シリーズ(バンクーバーのグロサリーで見かけるお洒落だったり変なものを紹介しています)の記事の中から4本(A〜D)をピックアップして、検証してみました。

検証条件

  1. 同じ記事を2日間に分けて2回投稿(画像あり1回・画像なし1回)
  2. 同じ記事は両日ともに同じ時間に配信
  3. 同じ記事は両日ともに画像以外の条件は変えずに配信
  4. 検証する2日間は、いずれも平日
  5. 記事AとBは初日画像あり、2日目は画像なし
  6. 記事CとDは初日画像なし、2日目は画像あり

以上の条件の元、2日間にわたって検証を実施してみて、どちらがより多くの人にリーチしたか、流入を多くもたらしたかを比較しました。

結果は次の通り。

How2Tweet01

リーチ数・リンククリック数ともに画像を付けた投稿の方が多いということが見て取れます。つまり、ツイートに画像を添付することによってメリットが得られるというのは、ほぼ間違いないと考えられるでしょう。

結論:リーチ数やクリック数を増やすためには、Tweetへの画像添付が必須

ちなみに、画像ありとなしでは次のような見た目の違いがあります。

How2Tweet01_1

画像あり

How2Tweet01_2

画像なし

こうして比較すれば一目瞭然ですね。画像がある方が見たくなるしクリックしたくなります。

仮説2:投稿にハッシュタグをつけた方が、リーチ数が上がるのではないか?

先日参加してきたPubconにて、SEARCH & SOCIAL CONTENT STRATEGYというセッションの中で登壇者のMindy Weinstein氏が話していたTIPSの中に、「Twitterでソーシャルメディアユーザーと共通テーマで繋がるために、ハッシュタグを活用しなさい」というものがありました。僕もTwitterユーザーですので、この意見には非常に納得するところがあります。

そこでこの仮説は、同じく僕がブログで時々書いているKickstarterアイテム紹介記事の中から4本(a〜d)をピックアップし、検証してみました。

検証条件

  • 同じ記事を2日間に分けて2回投稿(ハッシュタグあり1回・ハッシュタグなし1回)
  • 同じ記事は両日ともに同じ時間に配信
  • 検証する2日間は、いずれも平日
  • 記事AとBは初日ハッシュタグあり、2日目はハッシュタグなし
  • 記事CとDは初日ハッシュタグなし、2日目はハッシュタグあり

以上の条件の元、2日間にわたって検証を実施してみて、どちらがより多くの人にリーチしたか、流入を多くもたらしたかを比較しました。

結果は次の通り。

How2Tweet02

リーチ数・リンククリック数ともに、どちらかが一方的に良いという傾向は見られませんでした。その一方で、記事cに関しては #自転車 という活発なハッシュタグをツイートに入れたことがリーチ数やクリック数の多さに繋がったと考えられます。

結論:人気のあるハッシュタグをつけることは効果がありそう

ちなみにたくさんリーチした記事C『これ便利かも!SmartHaloで自分の自転車スマート化!』をハッシュタグ付きでシェアしたツイートがこちら。

How2Tweet02_1

すべてのハッシュタグ付きツイートには、このように3つのハッシュタグ(#Kickstarter #プロジェクト名 #一般キーワード)をつけていました。

仮説3:「同じ投稿を何度もするとフォロワーに嫌われる」という従来のセオリーは間違っているのではないか?

TwitterよりもFacebookページでの投稿に多い考え方ですが、同じ投稿を2度も3度も行うとファンやフォロワーにウザがられるから、投稿は1度にしておこうという判断がまるで絶対的な正義かのように扱われている場合がよくあります。しかし、それは本当でしょうか?

同じく先日参加したPubconにてKeynoteをつとめたGuy Kawasaki氏が、自身のアカウントを使った実験により、1日に4度行った投稿が効果的であったことを報告しています。

そこでこちらは、同じくブログから長めの気合が入っている記事を4本(AA〜BB)をピックアップして検証してみました。

検証条件

  • 同じ記事を同じ日(最初の投稿から24時間)の異なる時間帯に4回投稿
  • AAは8時、12時、19時、24時の順に投稿
  • BBは12時、19時、24時、翌8時の順に投稿
  • CCは19時、24時、翌8時、翌12時の順に投稿
  • DDは24時、翌8時、翌12時、翌19時の順に投稿

以上の条件の元、2日間にわたって検証を実施してみて、初回の投稿から4度目の投稿までの間にどのような変化があったのか、リーチ数とクリック数をベースに比較しました。

結果は次の通り。

How2Tweet03

結論:フォロワー数1,000人程度では、何度も投稿した場合の流入増は基本的には見込めない。

ただし、もしするのであれば「何度も投稿しているうちにパワーのある1人に発見され、その人がRTすることで突如流入が増える場合がある」というイメージで行うのが良さそう。

まとめ

以上の検証から、Twitter投稿をより効果的にするためには少なくとも投稿に画像を添付し、人気のあるハッシュタグを付けると良さそうだということがわかりました。

How2Tweet05

なお、ブラウザからお手軽に美しい画像を作りた方には、以前ご紹介したCanvaがオススメです。

ただもちろん、今回の検証はあくまで僕の個人ブログで僕のTwitterフォロワーを基準にして行ったものですので、興味を持っていただけましたら是非、皆さんにも1度ご自身の環境で検証してみていただくことをおすすめします。

以上、バンクーバーから@LeoTohyama、Twitter投稿における3つのセオリーについて検証してみました(よろしければ、Twitterアカウントのフォローを宜しくお願いします!)