バンクーバー発のスタートアップのうちの、今最も注目されている企業のひとつがCHANGE HEROESです。以前少し紹介しましたが、彼らは新興国の子供達に学校や教育を与えるためのプロジェクトと資金を繋げるクラウドファンディングサービスを運営しています。

2015年のスタートアップアワードを受賞!

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こちらもすでに先日お伝えした通り、彼らは今年のVancouver Startup Weekで発表されたBCIC-New Ventures Awards(年間最優秀スタートアップを決めるアワード)で見事3位に選ばれ、また同時にVancouver Social Venture Prizeも受賞しています。

彼らには$37,000(約3,330,000円;BCIC-New Ventures Awards)と$16,000(約1,440,000円;Vancouver Social Venture Prize)の受賞賞金が与えられるそうで、今後の発展が期待されています。

まだ説明不足だと思うので、CHANGE HEROESの仕組みについてもう少し詳しく説明します。

CHANGE HEROESとは?333モデルとは!?

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CHANGE HEROESは基本的にはクラウドファンディングですが、そのシステムを「friend funding(フレンドファンディング)」と呼んでいます。

特徴的なのは名前だけではありません。プロジェクトのページでは、プロジェクト発案者がパソコンのWebカメラでプレゼンテーションをするというスタイルが浸透していて、KickstarterやIndiegogoといった本家クラウドファンディングサービスに比べて手作り感があふれます。

また、最大の特徴は出資の募り方です。彼らのプロジェクトでは「1日に1杯のコーヒー(ラテ)分である$3.33(約300円)を出資してくれませんか」と言って訴求しています。実際には1杯のコーヒー×3ヶ月分である$99.90(約9,000円)がひと月に1度、合計3ヶ月間引き落とされるのですが、それを1日あたりの値段にして、出資者が向こう3ヶ月間の間に現実的に自分がしなくてはいけないこと(毎日コーヒーを1杯我慢する?)を直感的に理解できるようにしていことが、よくわかります。

なお、半額である$1.67のティープランと、1度で全て支払う方法も用意されています。

この$3.33にはもうひとつ理由があります。33人が$3.33ドルを3ヶ月出資できれば、合計額が$10,000に達し、そのお金があれば分厚い壁と窓、木のベンチと黒板を用意し、1,000人の子どもが学習できる学校を作ることができるということです。このコーヒー1杯のモデルについて、BCICブログでは「333モデル」と呼んでいます。この考え方、僕はとても好きです。

学校はローカルワーカーによって建設され、ローカルの材料が使われ、トレーニングされた先生が教え、彼らの給料はローカルガバメントから支払われるために、プロジェクトで作られた学校は完全にサスティナブルな学校になるそうです。

そんなCHANGE HEROESのクラウドファンディングサービスで進行中のプロジェクトにはどのようなものがあるのか。気になったのでサイトを見てみました。

CHANGE HEROESでのプロジェクト事例

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現在CHANGE HEROESで最も資金を集めたプロジェクトは『Let’s build a school together in Kenya! – Eduardo della Maggiora』というもの。その名の通りケニアの子どもたちのために学校を作りましょうというプロジェクトです。

プロジェクト企画者であるEduardo della Maggiora氏の動画を見てみましたが、英語では(勿論日本語でも)ありませんでしたので断念。

他に、今プロジェクトのページが残っている範囲で出資額が多い順で10番目まで見ると、ケニアの学校プロジェクトが6個、エクアドルの学校プロジェクトが2個、インドとハイチが1個ずつでした。

すべてのプロジェクトのビデオを見たわけではありませんが、個人撮影でお金をかけないとしても、もっとプロジェクトへの熱い思いを語るとか、現地の情報を入れるとか、コンテンツの面で工夫できるところはたくさんある気がしました。まだまだスタートアップですし、これからということでしょう。

まとめ

新興国の子供達に教育や学校を与えるためのクラウドファンディング、CHANGE HEROESの紹介はいかがでしたか?興味があれば1度サイトを訪れてプロジェクトを見てみてくださいね。

Change Heroes

Vancouverの注目スタートアップなので、注目していきたいと思います。

以上、バンクーバーから@LeoTohyamaが、CHANGE HEROESについてお届けしました!

参考:
Vancouver Startup Week: Edvisor takes $100,000 prize in BCIC-New Ventures Competition – BCIC in the News – BCIC
Startups compete for BCIC New Ventures Awards: CamDo and Change Heroes – Blog – BCIC