こんにちは!バンクーバーの州立大学BCITのインターナショナルコースにて、英語学習中のLeoです。

これまでにも本ブログでは『こんなの常識!?エッセイの書き方を学んでライティングスキル向上を目指せ!』や『英語のエッセイライティングで覚えておきたい定番表現24選!』など、エッセイライティングにまつわる記事を更新してきました。

本記事ではまた、僕が学校で習った英語のエッセイライティングの基本型から、ウェブライティングに応用できそうな型とそのポイントをご紹介します。もちろん、エッセイの書き方を日本語でなるべく丁寧に書きますので、英語学習初心者の方のお役にも立てるでしょう。

さて、今回参考にする英語エッセイの型はPersuasive essayと呼ばれるもの。「パースェイシブ・エッセイ」のように発音し、直訳すると「説得力のあるエッセイ」みたいな感じです。

その名の通り、相手を説得するために書かれるこのタイプのエッセイは、ウェブで物を売りたい人や、何かを主張したいすべての人にとって参考になります。ちなみに、そうでないタイプのエッセイはExpository essay(=説明的なエッセイ)と呼ばれ、こちらは書き手の主張なしで展開されます。

説得型エッセイの基本を学ぶ理由

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説得型エッセイの目的は、読み手に書き手の考えを理解させ、書き手のメッセージに妥当性があると納得させることにあります。

既にダイレクトマーケティングの世界では、QUESTフォーミュラのように物を売ることに特化した文章の書き方も確立されています。QUESTフォーミュラは非常に洗練されたセールスライティング手法で、僕自身これを使って効果を得た経験があります。興味がある方には、住太陽さんの『QUEST formula: 効果的なセールスコピーの書き方』をご覧になっていただきたいです。

ただ、QUESTフォーミュラで書かれた文章はやや特徴的(ダイレクトマーケティング界のトッププレイヤーの多くが、彼らのランディングページでこの手法を大なり小なり取り入れています)で、効果はあるけどどうしても胡散臭さが漂いがち・・・。

そこに、説得型エッセイの基本型を学ぶ意味があると僕は考えています。

基本を学べば応用がしやすいですし、QUESTやその他の手法との組み合わせも可能。それに、基本型を学ぶと進化型に対する理解が深まることもありますしね!

説得型エッセイの基本型

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説得型エッセイでは、導入部分(最初の段落)に書き手が最も主張したい意見や提案を入れ、ボディ部分でその証拠を示しながら自分の意見や提案を補強していきます。具体的には、次のような基本の型をなぞる形でエッセイを展開させます。

導入(Introduction)

以前、エッセイの書き方についてまとめた際にも書いた通り、エッセイは導入の段落から書き始めます。

導入はフックとなるべきで、読者の共感を生むエピソードや意外なデータ、読者好みの偉人の発言などを持ってくるのが一般的な手法だとされています。もちろん決まりはありませんので、読者の注意が引ければよいのです(嘘はダメですよ)

そして導入段落の最後に書き手の主張(意見や提案)を持ってきます。例えばこんな例が挙げられます(下記の例文は何の事実にも基づいていません)

例:学生は毎日、コーラを最低1本飲むべきです。なぜなら、炭酸が筋細胞を活性化し、睡眠中の体力回復に効果があり、さらには糖分が脳に活力を与えるからです。

ボディ(Body)

説得型のエッセイにおいても、通常のエッセイ同様にボディ部分は3段落(±α)用意します。

説得型エッセイのボディの各段落の書き方にはふたつのタイプがあります。ひとつめは、自分の意見を補完する事実やロジックをストレートに提示するタイプ。もうひとつは、あえて自分の意見とは反対側の意見を提示してから、それを覆す事実を提示するタイプです。

このふたつの方法を組み合わせながら3段落を作るのですが、その際注意しなくてはならないのが、ふたつめに書いた反対側の意見の提示手法を少なくとも1度は使わなくてはならないということです。理由は後述します。

結論(Conclusion)

最後に結論を書くのも、通常のエッセイと同じです。

そして通常のエッセイと同じく、導入部分で記載した自分の主張を再度提示し、提案を加え、話をまとめます。

説得型エッセイを書くときの、4つのポイント

このような説得型のエッセイを書く際のポイント・注意点を4点挙げます。いずれも授業や教科書で強調された重要なポイントです。

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  1. 読者が誰であるかを知る!
  2. エッセイに限らず、ウェブライティングに限らず、読者がいる場合の文章全てについて回る話ですが、まずは読者がどんな人であるのか知らなくてはなりません。この、読者を具体的に見える形にしたものを「ペルソナ」と言ったりしますが、要するに読者がどんなことで困っていて、どんな状況で、どんな経緯を経てきて自分の書くエッセイにたどり着いたのか、ということを具体的にするのです。

    読者の元々の価値観や、現状どの程度、書き手の意見に賛成している人なのかをイメージすることも大切です。

    読者の価値観や状況を知るための方法には様々なものがあります。本格的なものでいうと、読者候補にデプスインタビューをするなんて方法もあります。詳しく知りたい方は、僕の元上司の井登さんが書いたこちらの記事をご一読ください『ユーザーの隠れた本音を聞く! 9つのポイントでデプス・インタビューを攻略する

    もっと簡単にできる方法としては、Twitterでそれらしい悩みを持った人を検索して発話を見ることや、関連する検索クエリをGoogleで調べること、それから商品を売る場合は関連商品のカスタマーレビューを見ることも読者を知る手がかりとなります。

  3. 信頼できるソースを提示する!
  4. 主張は、ただ並べただけでは説得力がありません。その意見になぜ正当性があるのかをなんらかの形で示す必要が有ります。それが前述の通り、ボディの役割となるのです。

    その際、当然ながら根拠には信頼できるソースを利用する必要があります。どこの機関がいつどのように発表したソースなのか、研究なら主幹は誰なのか、証言ならそれを発した人は誰なのかなどなど、信頼できるものであればあるほど、良いとされます(当たり前ですね)

    これはライティングの世界ではほとんど常識のように言われていますが、ライティングの基本はリサーチです。ユーザーリサーチと、自分の意見を補完するリサーチ、このふたつでライティングにかける時間の半分以上は確実に使うと考えるべきでしょう。それはエッセイライティングでもセールスライティングでも同じですね。

  5. 意見や提案は、言い切る!
  6. 自分の意見に自信がないと「〜だと思います」といった発言が出やすくなります。僕もそこは弱いところで、意識していないとすぐにこの言葉をつけて保険をかけておきたくなります。

    しかし、説得型のエッセイでこの言い回しは禁物です。英語で言えば「I think that」とか「I feel that」とかはダメ。事実であるなら事実らしく言い切りましょう。

  7. 反対側の意見も提示する!
  8. 前述したように、自分の意見ばかりでは良い説得型エッセイとは言えません。ボディには反対側の意見も必要です。

    反対側の意見を記載する理由はふたつあります。ひとつは信頼性が向上するから、もうひとつは自分の意見をより強く補強できるから。少し詳しく説明します。

    • 信頼性の向上
    • 英語には(日本語にも?)クリティカルリーディングという考え方があります。これは、その文章に信頼性があるかどうかを判断しながら文章を読むリーディング手法です。このリーディング手法では、一方的に自分の主張だけを列記している文章は疑えとされています。

      一般論として、偏った意見しか掲載していないエッセイは信頼性が低いとされているわけですから、自分のエッセイにも自分が反対側の主張を理解しているように見せる必要があるのです。

    • 補強

    また、反対側の意見を提示した上でそれを上回る自分の意見を初めから記載しておけば、それだけ主張の説得力が増します。

    例えば先ほど挙げたコーラの例で言えば、書き手に「学生は毎日、コーラを最低1本飲むべきです。」と言われて「何言ってんだ」と思った読者が「なぜなら、炭酸が筋細胞を活性化し、睡眠中の体力回復に効果があり」まで読んで「でも砂糖ばっかじゃん」と、さらに文章を疑ったとします。

    ここで、「確かに、糖分が身体に悪影響を与えるという意見もあります。しかし実は、コーラに含まれる糖分は脳に活力を与えることが研究で証明されているんです」と言われたら、読者は自分の反論に答えてもらった気がしませんでしょうか。もちろんこの例文は僕が適当に作った信頼性のないものなので、研究による証明なんてないのですが、なんとなく雰囲気が伝わってくれると幸いです。

    以上ふたつの理由で、ボディには反対側の意見を盛り込む必要があります。

まとめ

説得型エッセイ=Persuasive essayについて、学校で学んだことに加え、これまでの経験をもとに説明してみました。いかがでしたでしょうか。

学べど学べどライティングは難しく、今回の記事もしっかり伝わっているか不安です。

偉そうに言うわけではないのですが、特にウェブのライターさんはブロガーからそのまま転身されたというような方も多く、その場合文章の基本を学ばずに仕事をされているという場合も多いので(僕のことです笑)、困った時に立ち返るべき基本の方を知っておくというのは意味があるんじゃないかなと思います。

それでは以上、ご静聴ありがとうございました。