僕の古巣であるインフォバーンから“オンラインのメディアマーケティング情報に特化したWebメディア(インフォバーンプレスリリースから引用)”『DIGIDAY[日本版]』の創刊がプレスリリースされました。久しぶりのインフォバーンからの新メディアの創刊に、身内ながら凄く楽しみなプロジェクトだなと思って見守っているのですが、そもそもDIGIDAY[本家]はどんなメディアなのかなあと思いまして、自分なりに調べてみました。

なお、古巣と言いつつ今もバンクーバーにて業務委託のお仕事をしている仲良しな関係ですが、DIGIDAY[日本版]に関する内部情報をなにか知っているわけではありませんのでご注意ください。あくまでひとりのファンとしてまとめてみます。

DIGIDAYは4つのカテゴリ構成

DIGIDAYのカテゴリは大きく分けて4つあるようです。「Brands」「Agencies」「Publishers」「Platforms」がその4つで、サイトの最上部にメニューとして掲載されています。

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Brands

「Brands」のカテゴリでは、アパレルや外食、リテーラー、サービス、エンタメなどなど、いわゆるクライアント企業のブランディング事例について紹介する記事が多いようです。また、企業のブランディング担当者に役立つ調査の紹介(『下半期に抑えておきたい5つのトレンド』など)もあるようです。

いくつか最近の記事の中から、わかりやすいものをピックアップします。

Agencies

「Agencies」のカテゴリには、やはり広告代理店などのエージェンシー企業の中の人が知っておくべきことについて書かれている記事が多いようです。なお、前述のBrandsで触れたブランディング担当者お役立ち系の記事はここにも分類されていました。その他の例を見てみましょう。

Ask a Millennial: Do you see yourself in advertising in five years? – Digiday

25歳〜27歳の広告業界に勤める男女に対して、5年後に広告代理店に勤めていると思うかどうかを聞いて回ったまとめ記事。

An ad agency exec’s guide to the Chinese media market – Digiday

ここ20年間で急成長した中国のメディアマーケットについてのインタビュー記事。

Beyond the happy hour: How agencies get creative in team building – Digiday

常にクリエイティブであることを求められるエージェンシーが、自社の社員がクリエイティブであるためにこの夏行う社員アクティビティについて様々な企業にインタビューし、まとめた記事。ボランティアやスポーツ、ハッカソンなど、面白そうな社内イベントが目白押し!

Publishers

「Publishers」のカテゴリにはパブリッシャー、つまり(デジタル)メディアの中の人が見るべきコンテンツが並んでいるようです。メディアをどうマネタイズすべきかとか、自分たちの記事をもっと見てもらうためにどうするべきかとか、事例や取材を交えて紹介しているので面白いです。こちらも3つ、最近の記事を挙げてみます。

Publishers are hiring Snapchat specialists – Digiday

CNNやDaily Mail、National Geographicといったメディアが、若者に人気のメッセージアプリSnapchat対策チームを社内に立ち上げるべく、人を雇っているというお話。日本のメディアで言えばLINE専用チームといったところでしょうかね。

How Bloomberg monetizes readers who arrive from social media – Digiday

ソーシャルメディアからのサイト来訪者にだけ広告を配信できる新しい商品「Social Connect 2.0」を発売開始したBloombergの例を挙げ、ソーシャルからのサイト訪問者をメディアがどのようにしてマネタイズするべきかについて書かれています。

How The Washington Post cut its page load time by 85 percent – Digiday

The Washington Postがウェブサイトのロード時間を短くしたことに関する話です。

Platforms

「Platforms」のカテゴリには、FacebookやTwitterのようなザ・ソーシャルメディアプラットフォームから、新興プラットフォームのSnapchatやTinder、AmazonやGoogleマップにまで及ぶオンラインのプラットフォーム全般に渡る様々な情報が扱われています。3つだけ記事を見てみましょう。

Instagram goes high-def just in time for summer sunsets – Digiday

Instagramの高画質化に関するニュース。

Google Map’s new tracking tool records everywhere people have been – Digiday

Googleマップで、利用者の行動履歴が記録されるようになりますよ、というニュース。

Amazon hires BT TV chief Alex Green to head up Instant Video – Digiday

AmazonがサブスクリプションTVサービスのBT TVからAlex Greenを引き抜きますよ、というプラットフォームの人事にかかわる話も見つけることができました。

DIGIDAYのタイトルをテキストマイニングしてみた

カテゴリで分けると前述の通り、DIGIDAYは「Brands」「Agencies」「Publishers」「Platforms」の全ての中の人のためのメディアと言えるのですが、実際にここ最近更新されている記事が何をテーマにしているものなのか、ヒントを得るために、DIGIDAY最新記事のタイトルをテキストマイニングにかけてみました。

今回テキストマイニングに使ったのは、ユーザーローカルさんがオンラインでフリーで提供されているテキストマイニングツール「UserLocalテキストマイニング」です。今回初めて使いましたが、記事のタイトルをA列にひたすら並べて保存したcsvファイルをアップロードすれば勝手に分析してくれたので、とっても簡単でした。

分析にかけたのは、DIGIDAY提供のRSSで8月1日時点で最新だった記事までの250記事。分析結果がこちらです。

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頻出ワードから推測できるのは、DIGIDAYが「ビジネスユーザー向けにTipsを伝えるメディアであること」「ブランドや広告に強みがあること」「Facebook(大手)からSnapchat(新興)まで、幅広くプラットフォームに関する情報を提供していること」かと考えます。

  1. ビジネスユーザー向けにTipsを伝えるメディアであること
  2. ワードクラウドで1番大きな文字で表現されている(=タイトルに頻出している)「How」から、DIGIDAYが「How〜」というような、日本語で言うところの「〜の方法」系tips記事を多く更新しているのだと推測。他にも「about」や「new」からはそれぞれ「〜に関する法則」「最新の〜」というような記事が少なくなく配信されていることを予感させます。

  3. ブランドや広告に強みがあること
  4. そのままですが、頻出語として「brands」や「ad」が見られることから、ブランドや広告に関する記事をたくさん更新しているのであろうと考えました。カテゴリで見てきた通りの結果と言えますね。

  5. Facebook(大手)からSnapchat(新興)まで、幅広くプラットフォームに関する情報を提供していること
  6. FacebookとTwitterだけでなく、Snapchatが頻出単語として出てくるところに、常に新しいプラットフォームでのマーケティングを追いかけている様子が伺えました。逆にSnapchatだけでなくFacebookやTwitterが頻出単語であるというところに、新しいものだけでなく地に足のついたコンテンツ展開をしているのかなと感じました。

DIGIDAYの量的データをまとめた

最後に、DIGIDAYにまつわる数字面のデータで外部で見えるものをピックアップしてきてまとめてみました。

  • 更新頻度:60本 / 週(Feedlyデータ)
  • 月間訪問者数:150万(SimilarWebデータ)
  • 平均滞在時間:2分6秒(SimilarWebデータ)
  • 平均ページ/訪問:2.11ページ(SimilarWebデータ)
  • Twiterフォロワー数:107,000以上(Twitter上データ)
  • Facebookファン:28,000人以上(Facebook上データ)
  • Feedly購読者:12,000以上(Feedlyデータ)

その他:業界の求人情報やイベント情報も!

最後にその他として、DIGIDAYのその他の機能についても簡単にご紹介します。

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まずは求人。マーケティングにまつわる業界の求人について、カリフォルニアからニューヨークまで(西から東まで)の求人が紹介されていました。

その内容は、メディア企業のウェブプロデューサーや総合エンタメ企業のデジタルセールス担当、広告代理店のアカウントマネージャーなどで、非常にたくさんの求人が掲載されています。

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そしてこちらは、DIGIDAY関連イベントの紹介ページです。非常に頻繁にイベントを開催しているようで、自分もどこかで参加してみたいと思いました。1番近いところでは、8月3日〜5日の『Digiday Content Marketing Summit @カリフォルニア』ですね〜。うー行きたい!!!

まとめ

メディアだからといってコンテンツの制作にとどまることなく、自ら関連求人のプラットフォームになったりイベントを企画運営までしてしまえるところが、DIGIDAY最大の魅力なのではないかと思います。また、「Brands」「Agencies」「Publishers」「Platforms」というターゲットの設定もわかりやすくていいですね。

DIGIDAY[日本版]のローンチは9月1日だそうです。また、現在先行のメルマガ登録Facebook & Twitter & LinkedIn運営が開始されています。

なお、重ねて言いますが、DIGIDAY[日本版]編集部の意向などを聞いた上で本記事を書いたわけではないので、[日本版]がどのようになっていくのかについては、僕もわかっていません。

それでは、正式ローンチを楽しみに待ちましょう。編集部の人、頑張って下さい〜!